進路は空へ

「空の世界」の専門学校。「人としての」専門学校。

資格をとるため。
就職内定をゲットするため。
あなたの通う専門学校が、
それらを一番の目的にしているならば、
パンフレットに「人間教育」の
文字は不要だ。
あったとしても、絵空事だ。

教育や実習以外に、ボランティアの
時間なんていらないだろうし、
地域との関わりも、余計な課外活動だ。

挨拶や敬語ができなくたって、
注意される筋合いはないし、
先生の愛情なんて、もう、暑苦しい。
母校や故郷への感謝を考える
きっかけもないだろう。
親や友達への感謝さえ忘れても、
さして問題はないだろう。

カリキュラムをきちんとこなせば、
資格は取得できる。
ひとときの成果は得られるかもしれない。
だけど、就職は、わからない。
人間力があるかどうか、
面接官に見抜かれる。
就職できたとしても、その先の人生は、
どこか物足りないものになる。

本校にとって、資格や就職は
ゴールではない。
職業人として、日本人として、
国際人として、大切なものを教える。
それが「学校」の役目だから。

航空業界で必要な技術や知識は、
大丈夫なのか?

ご安心を。
かつて本校の制服を着ていた、
世界中の卒業生たちの
仕事ぶりを見てください。

18歳の滑走路。

落ちこぼれでもないが、
優等生でもない。
わたしはふつうの
18歳だった。

たいした敬語は、
使っていなかった。
ボランティアは、誰かが
やるもんだと思ってた。
国旗の意味なんか、
考えたこともなかった。
留学って、
英語が喋れるようになる
旅行だと思ってた。
行事だって、
ただの思い出づくりで、
めんどくさかった。

とにかく、資格と内定と、
その先の安定がほしかった。
ぼんやりと近道を、
探していたんだ。

その学校は、
専門学校でありながら、
近道でもなんでもなかった。
むしろ、まわり道にも見えた。
日常は、「なんでこんなこと、
しなきゃいけないのか」の連続だ。

先生たちは、そんな
「なんで?」の意味を
ひとつひとつ教えてくれる。
先輩たちは、規律と自由の中で、
のびのびと学んでいる。
そして、資格と就職と、
それ以上の、
生きる価値を得ていた。

「挨拶すること」
「感謝すること」
「他者を尊重すること」
文字にすると少し恥ずかしい。
小学生でもわかることだから。
でも「わかる」と「できる」は
ちがうし、意外なことに、
できる人間は、おとなの実社会で、
本気で求められていた。

日本航空専門学校は、
近道でも、遠まわりでもない。
そこは、ふところの深い滑走路だ。
28歳。
人間力の意味が、
今なら少しわかる。

今日も、母校の生徒たちが、
わたしの職場に研修に来ていた。

子を預ける。わたしの安心も預ける。

小さいころ、飛行機から見たあの仕事に
うちの子は、一目惚れしたらしい。

やりたいことをやたせたい。
行きたい道へと進んでくれればいい。
それでも、内心は「公務員になる」って
言ってくれないかな、
なんて思ってたりもする。
わたしも子を持つ親だ。
でも最近は思う。手に職。
これも悪くない響だ。

専門学校の夏休み。
帰省した息子は、
なんだかイキイキとしている。
妙にハキハキもしている。
聞けば、普段から声出しや敬礼が
日課だという。
休みの終わり、「母さんありがとう。」
そう言って新学期へ帰っていった。

こうやって若者は、自立していくんだろうか。
自分の頃のことは棚に上げて、
わたしは感心していた。

息子が誘導する、
その飛行機で旅行に出かける。
そんな日が、何年後かにきっと来る。
子育ても終盤。不安半分、期待半分。
その業界でかわいいお嫁さんが
みつかることも、わたしのひそかな期待だ。

日本航空専門学校 地に足のついた、人間教育。
  • 国際航空ビジネス科白老キャンパス
  • 空港技術科千歳キャンパス
  • 航空整備科千歳キャンパス
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